■ アヴリルとノルスンドの冬至祭

 美しい入り江の都ノルスンドにやってきたアヴリル達は、妖精達に誘われて冬至の祝祭に参加する事になりました。 煌びやかに輝くキャンドルの灯、華やかに飾り付けられたガーランドに彩られ、可愛らしく着飾った妖精達が歌い踊ります。 大聖堂ではリヴェットが美しいフィオールの音色を奏でていました。

 美味しそうなごちそうの香りに誘われたアヴリルは、すっかりアルタイル達からはぐれてしまいました。 ふと空を見上げると、遥か南の地平線が赤く輝き、美しい薄明が広がっていました。 ガーランドに取り付けられた星飾りが、青紫色の空に映えてキラキラと星空のように輝いていました。 アヴリルが見惚れていると、遠くから彼女を呼ぶ声が聞こえていました。

「アヴリル!ここにいたのだ!」
アルタイル達が駆け寄って来ました。
「まったく...また食べ物に釣られて迷子になっていたのだ...わわっ!どうしたのだ!?」
「むーっ」
「アヴリルだめなのだ!ぼくは食べ物じゃないのだ!」
「アヴリルちゃん。妖精さん達がユールボードに誘ってくれたよ。一緒に食べに行こう?」
「うん♪」
アヴリルはとても嬉しそうにリヴェットの手を取りました。
「みゅ!? だ...ダメです!」
アトリアがリヴェットを取られまいと必死に追いかけて行きました。

「うぅ...ボクは大精霊様なのに扱いが雑なのだ...」



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